【iPhoneアプリレビュー】オドマール - 落ちこぼれヴァイキングが世界を救う!?暖かなグラフィックと快適な操作性で送る傑作横スクロールアクション!
「オドマール」は、iPhoneで配信中の横スクロールアクションゲーム。価格は600円で追加課金はなし。
北欧神話を舞台とした作品で、主人公となるのは町の落ちこぼれヴァイキングであるオドマール。
ある日不思議な夢を見たオドマールは、夢の中で出会った妖精から不思議な力をもらう。それと時を同じくして、村の仲間が謎の落雷によって消えてしまう。果たして村のみんなはどこに消えたのか?オドマールに力を授けた妖精の正体は?それを解明するため、オドマールは新たな力を持って旅に出る…という感じのストーリー。
ちなみに不思議な力っていうのは足元の地面からキノコを生やしてジャンプする能力のようで、キノコの見た目といいヒゲのおじさんといいここはやっぱりマリオのオマージュだったりするのかな?
ゲームの構成はシンプルなステージ選択制。
エリアは全部で4つあり、ひとつのエリアには5ステージ+ボスステージの合計6ステージがあるため総ステージ数は24となっている。
こう聞くと少ないと感じるかもしれないが、逆に言えば水増しされたようなステージがなく、各ステージでは進むごとに新たな仕掛けが出てくるのでプレイヤーを飽きさせないのだ。
操作は画面左をスワイプで移動、画面右タップで攻撃し、上フリックでジャンプ、下フリックでヒップドロップとなっている。
この操作が本当に快適で素晴らしい!いつもやっている横スクロールからボタンを取っ払うだけでこんなにもやりやすくなるのかと感動してしまったぜ。これも最初からスマホというプラットフォームで考えられているからこそだな。
もちろん仮想パッドの方がやりやすいという方は設定画面で切り替えることもできるぞ。
冒険することになる世界は草原や洞窟、渓流など様々。時にはオドマールだけではなく、動物たちに力を貸してもらうこともあるだろう。
そして見逃せないのが、全ステージ手書きで描かれたというグラフィックの美しさである。
絵本のような柔らかいタッチで描かれた背景は思わず見とれてしまうほどで、BGMの民族音楽と合わせてこのゲームの世界をイキイキと彩っている。
ステージを注意深く見ていると画面手前に就寝中のクマがいたり、画面奥でゴブリンが喧嘩していたりと細かいところまでよく描き込まれているぜ。
主人公のオドマールも背景に負けじとよく動く。放っておくとおやつなのかキノコを食べたり雄叫びを上げたり笑い出したりして忙しいやつだが、その愛くるしさについつい眺めていたくなってしまう何かがあるな。
またこのゲームには装備の要素もあり、ステージ内にあるショップで武器や盾を買うことができる。
武器は攻撃力が上がるわけではないが、攻撃速度の速い剣や遠距離攻撃ができる槍など5種類が用意されているぞ。
そして盾には火球を出したり敵を吹き飛ばしたりする効果があるのだが、これはヒップドロップを行うと追加効果として発生する。なので特に盾を構えたりする操作はないのだ。自分は最初盾の使い方がわからず10分くらい右往左往してしまったぜ。っていうか盾関係ないじゃん!
装備を買うためのコインはステージに落ちている他、敵を倒すことでも獲得することができる。また、このコインはステージのやり込み要素となっているのでできるだけ集めておきたいところだ。
そのほかのやり込み要素として、各ステージに3枚ある秘密のコインを集めたり、決められた秒数以内でゴールを目指すタイムアタックがあるぞ。
秘密のコインはこんな感じの隠し部屋にあったりするので根気よく探そう。
また、一部のステージには夢の世界という、いわゆるチャレンジステージみたいなものへの入り口があり、ここでは強制スクロールや死に覚え要素など通常のステージと比べて難易度の高いステージに挑むことができる。
難しいのは確かだが、負けても何度でも再挑戦が可能なのでクリアメダルのコンプリートを目指して積極的に挑戦しよう。
各ワールドの最後に待ち受けているボスステージもなかなか楽しい。
ボス戦は自由に攻撃する方式ではなく、ギミックをかわして隙ができたところに一撃入れる、みたいなシステムの戦闘だ。この、攻撃できるタイミングまで耐えて耐えて…って感じが緊張感あって好きだな。
そんな感じで悪いところはほとんどない本作だが、気になったところを強いてあげるとしたらボリュームと難易度だろうか。
各ステージはそれぞれ特色があり、ギミックもいろいろ出てきて面白いのだが、それ故にあっという間に終わってしまう物足りなさを感じた。特にボスステージは4つ(内1つは戦闘なし)しかないため、もうちょっと遊んでいたかったなー、というのが正直な感想だ。
また、やり込み要素や夢の世界のコンプリートを目指すと確かに難易度は上がるのだが、それでもゲーム慣れしている人には少し簡単かもしれないな。
とはいえ、これらは全てこのゲームが面白かったために出る感想だと思うので、やはり評価は変わらずとても良質な横スクロールアクションだ。
手書きで描かれた美しいグラフィックと、冒険の旅を彩る軽快な民族音楽、そして自由自在にオドマールを操れる快適な操作性がオーソドックスな横スクロールをここまで面白くしたか!と驚かされる1本だったぜ。
簡単めな難易度もそれだけ間口の広いゲームだということ!普段ゲームをしない人でもこの世界観をしっかり味わうことができるのだ。
今では数多くあるスマホアクションだが、その中でも間違いなく上位に入る傑作だと思うのでもし気になった方は是非ともチェックしてみてほしい!