【ボードゲームレビュー】DORASURE(ドラスレ)- これぞ王道!レベルを上げアイテムを揃えてドラゴンを討伐せよ!仲間と挑む協力型ボードゲーム!
「DORASURE(ドラスレ)」は、日本のミニチュアゲームメーカーであるGIANTHOBBYが開発、発売している純国産の協力型ボードゲーム。
プレイヤーはそれぞれが思惑をもってドラゴン討伐へ参加する冒険者となり、ドラゴンの隠れ家である山を暴きながら来たるべき最終決戦を目指す、という、これでもか!な王道RPGストーリー。やっぱり王道はいいね、気を衒った一点突破も好きだけどわくわく感が違うぜ。
それにこういうゲームは外国産には数多くあれど、日本産では意外と珍しい気がする。
こういうゲームはどんどん作ってほしいね、絶対買うから。
ドラスレはすごいぜ、なんてったってキャラクターコマがメタル製!
一体一体がずっしりとした重厚感と光沢を帯びている…もう手にとって並べるだけでにやにやが止まらないぜ…
ステータス表示用のマーカーもクリア素材で綺麗だし、コンポーネントはかなり丁寧な印象だ。
それとここはほんとに評価したいんだけど、これ箱がそのまま収納ケースになってるのよね。
コンポーネントが多くなりがちなボードゲームは基本的に自分で小袋を使って種類ごとに分けたり別に収納ケースを使ったりすることが多いんだけど、ドラスレは初めから箱が区切ってあるので収納に困らない!
まぁこれ自体そんなにコンポーネントが多いゲームってわけじゃないんだけど、これは嬉しかったな。
さぁそれではいよいよ冒険の旅に出発!
プレイヤーはまずハンター、パラディン、グラディエーター、ニンジャ、プリンスの5人から自分が操る冒険者を選ぶ。
1人明らかに戦えなさそうなやつがいるが、終盤はその強さにひれ伏すことになるぞ。
各キャラクターはそれぞれ、「ドラゴンに殺された師匠の敵討ち」だったり、「次期王になるための試練」だったり、「単なる賞金稼ぎ」だったりと色々なバックグラウンドがある。
ゲームプレイには一切関係ないがこういう世界観作りは大事だよね。
キャラクターが決まれば早速冒険の始まりだ。
プレイヤーは自分の手番の初めに、キャラクターの移動力と同じ数だけダイスを振る。
そして出た目を使って移動するわけだが、マップには何種類かの地形があり、地形によって移動に必要な目が違ってくるのだ。
例えば「平原」のタイルへ移動するためには、出目3以上のダイスを1つ消費する必要がある。
同じように「森」へ入るためには出目4以上、「山脈」を越えるためには出目5以上のダイスを消費する必要があるぞ。
そして出目が決まればさぁ移動しよう…といきたいところだが、ひとつだけ注意が。
もしダイスで6を出してしまったら、直ちにドラゴンゲージに置いてあるマーカーを進めなければならない。
このゲージはドラゴンの警戒度を表しているもので、上昇するとドラゴンからのちょっかいが飛んでくる他、MAXに到達するとドラゴンとの強制戦闘が始まってしまう。
移動システムから考えるに、6だと相当装備ガシャンガシャン鳴らしながら派手に移動してるんだろうなぁ…
つまり運悪く6を連発していると、全く準備のできていない状態で最終決戦に挑むことになるのだ!
さて、移動が完了したら今いるタイルの効果を解決しよう。
自分のいるタイルが平地や森、山脈なら戦闘が起こり、町にいれば体力が回復するぞ。
戦闘はキャラクターの冒険の数値を使って行う。
数値の数だけダイスを振り、出目が4以上のダイスがいくつあるかで結果の判定を行うぞ。
この場合出た目は2と5、なので結果は+1となり、1ダメージ受けてしまったが経験値1を獲得したぜ。
ちなみに6が出ると成功数が+1され、さらに追加でもう一つダイスを振ることができる。
しかし1が出ると成功数が-1されてしまうぞ。
このシステムはピークロールと呼ばれ、戦闘に限らずあらゆる能力判定で使うことになる。
こうしてレベルアップをしていくわけだが、この戦闘ですらなかなか難易度が高い。
大体のキャラクターは冒険が1とか2とかなので、よくて+1、運が悪いと0や-1も普通に出るのでとにかく体力が削られる。
そこで重要になってくるのがリソースの存在だ。
各キャラはそれぞれリソースというものを持っており、これをひとつ消費すれば受けるダメージの軽減やダイスの追加などの恩恵を受けられる。
リソースは各キャラで上限が異なる他、回復手段もそれぞれで違う。例えばパラディンならダイスを移動に使わず消費することで1回復、ニンジャは森を移動することで1回復などそれぞれの個性を活かしているのが面白い。
このリソースをどこで使うか、いつ回復させるかが冒険をする上で重要な要素になるぞ。
そして、戦闘と回復の他にもできることがある。それが調査と挑戦だ。
もし自分がいるタイルが未調査のクエストタイルに隣接している場合、通常の戦闘などを行うかわりにクエストタイルをめくって内容を確認することができる。これが調査。
そして内容が明らかになったクエストタイルに隣接しているプレイヤーは、そのクエストへの挑戦が行えるようになるのだ。
クエストの内容は戦闘の値を使った魔物退治だったり、教養の値を使った謎かけだったり。
キャラクターごとに得手不得手があるので、魔物退治は戦闘の値が高いパラディンやグラディエーターに任せるといった連携も必要になる。
クエストの成否判定は上述のピークロールを使い、クエストごとに決められた数以上の成功数を出せばクリア。隣接しているプレイヤーが他にもいれば協力しての挑戦もできるぞ。
ちなみに一度で減らしきれなくても与えたダメージは残るので安心だ。-1とか出したらしっかり回復されるけどな!
クエストをクリアしたらお待ちかね、報酬をゲットすることができる。
まずはクリアしたプレイヤーに経験値2(協力したならお互いに1づつ)が与えられ、次にクエストタイルの下に隠されている財宝タイルが明かされる。
ここで手に入るアイテムはどれも強力なものばかり。しかも全プレイヤーに利益があるため、手に入れられればドラゴン討伐を有利に進めることができるだろう。
アイテムゲット!「竜殺しの武器」はプレイヤー全員の戦闘が+1されるという強力なアイテムだ。
「なるほど!じゃあとにかくクエストをクリアしていけばいいんだな!」となりそうなところだが、ひとつだけ注意点がある。
全部で5枚ある財宝タイルはどれも強力だが、その内の2枚が竜の隠れ家というアイテムになっている。
このアイテム、効果自体は「ドラゴンに1ダメージを与える」という便利なものだが、2枚目を引くと強制的にドラゴンとの戦闘に突入する。そりゃ2回も隠れ家荒らされたらドラゴンも怒るってもんですよ。
つまり、最初の財宝タイルで竜の隠れ家を引いてしまうと、次からのクエスト攻略は常に強制戦闘の恐怖に怯えることになるのだ…
ごくり…
ここで一か八かクエストを攻略しアイテムを集めるのか、確実に強くなるためにレベリングをするのか、この辺のさじ加減が絶妙で何度やっても悩む。レベリングもずっとやってるとドラゴンゲージ溜まっていくしね…
ここまでが毎回自分のターンでできること!
これを他のプレイヤーと順番に繰り返してドラゴン討伐の準備を進めていくのだ。
さて、ではいよいよ物語の大詰めドラゴン討伐!
ドラゴンとの戦闘に突入するには、上記でも書いた2通りの方法がある。
1.ドラゴンゲージがMAXになる
2.竜の隠れ家を2枚引く
1の方法はできれば避けたいものだ。これはドラゴンの不意打ちから戦闘が始まるようなもので、開始時に先制攻撃を許してしまう。
2の方法は先制攻撃を受けなくて済む上に、あらかじめドラゴンに2ダメージを与えての戦闘開始が可能だ。
なので理想は竜の隠れ家を残しつつ他のアイテムを集め、ドラゴンゲージギリギリまでレベリングをしてから討伐。まぁそんなのほぼ無理だけどね!
さぁついにドラゴンとの戦闘に突入だ!
ちなみにこの子はうちの子なので付属品じゃないぞ。ボードゲーマーたるものマイドラゴンの一体や二体持っていないとな。
ドラゴンのHPは10。戦闘は各キャラの戦闘の値を用いて行う。
ここまでそこそこ順調にきていれば戦闘の値は4、5くらいあるはずだ。そこで下の決戦表を見てほしい。
おわかりいただけただろうか。
まず、確実にダメージを与えるためには+3以上を出す必要がある。
さらに無傷で済むには+4以上が必要で、+5以上でようやく2ダメージ。
これ、めちゃくちゃ難しい。
しかもドラゴンはこの攻撃の他、2ダメージ受けるごとに全員にダメージ1などの反撃も行ってくるので苦戦は必至だ。
HPが一番多いパラディンでMAX6といえばドラゴンの猛攻具合が伝わるだろうか。
全体攻撃も多いため、自分の手番になった頃にはもう瀕死、なんとか耐えたと思ったら次のターンには全体攻撃で死ぬなんてざらである。
こんな戦場にいられるか!
この通りなかなかの絶望感を与えてくれるドラゴンだが、それだけに力を合わせて打ち倒した時の喜びもひとしおだ。
負けるときは圧倒的に負けるが、勝つときは常に接戦。このくらいの緊張感がある意味ちょうどいい気がするぜ。
それにそもそも協力ゲーだから勝っても負けても盛り上がるのがいいところだな。HP満タンのニンジャが一撃死したのには笑った。
これだけしっかりした内容でプレイ時間は約30分とかなりお手軽。この手の他のゲームと比べてもルールはわかりやすい部類なのでインストも楽だし、はじめてのボドゲにもおすすめ。
みんなで誰がどこに行くか相談しつつやるのがめっちゃ楽しいし、ダイスの一振りでみんなが一喜一憂できるのがいいね。
ちなみにドラスレは拡張セットが色々あって、追加キャラや地形タイル、クエストなどを好きに混ぜてプレイすることができる。
本体と比べるとコスパはあまり良くないが、どれもプレイの幅が広がって面白いものばかりだ。
俺的にはかなりオススメのゲームなので、興味がある人は是非遊んでみてほしい!