【iPhone/androidアプリレビュー】Dark Echo(ダークエコー) - 音を聴き、音を視て進む新感覚のホラーアクション!暗闇の中迫り来る何かからあなたは逃れられるか…
「Dark Echo(ダークエコー)」は、iPhone/androidで配信されているパズル風味のホラーアクションゲーム。価格はiPhone版が240円、android版は200円となっている。
このゲームはエコーロケーション(反響定位)と呼ばれる、音の反響具合を利用して周りの空間を判断するという技術をもとに作られた珍しいタイプのホラーアクション。
エコーロケーションは現実世界でいうとコウモリやイルカなんかが使い手として有名だね。
プレイヤーは何も見えない真っ暗な空間の中、自らが発する音の反響だけを頼りに出口を探しだし、無事にそこまで辿りつくのが目的となる。
もちろん人間には音だけを聞いて空間を把握することなんてできないので、代わりに視覚化された音を利用して進んでいくことになるのだ。
また、本作はとにかく"音"にこだわって作られているため、プレイする時にはヘッドフォンやイヤホンの使用をお勧めするぞ。
ゲームはステージ選択制。
1つのステージはスムーズにいって2、3分でクリアできるため、ちょっとした隙間時間なんかにもプレイ可能だ。
最初の方のステージは説明を兼ねたチュートリアルステージとなってなっており、実際に操作をしながら仕様を覚えていくことができる。
ステージを選択すると辺りは早速真っ暗闇。最初に見えているのは自分の足跡だけだ。
移動は行きたい方向をホールドすることで行う。暗闇の中足を踏み出すとコッという小気味よい音が鳴り、視覚化された音が放射状に放たれるのだ。これを利用し、部屋の形や通路を探って出口を見つけていくのが基本のプレイとなるぞ。
最初のうちはただ歩いて出口を探せばokだが、ステージが進むと色々と新しい要素が追加されていく。
その中でも恐ろしいのが、暗闇の中でこちらを追いかけてくる"何か"の存在だ。
暗闇に潜むそれはなにやら赤い姿で描かれており、こちらの出す音に反応して近寄ってくる。
スピードはそれほど速くはないため歩いていれば逃げられるが、うっかり行き止まりに入ってしまったり急に現れたりすると本当焦る。
さらに近付いてきた時のオォォー…という不気味な音がまた恐怖心を煽ってくるぜ。
もちろんこいつに捕まってしまうとゲームオーバー。
プレイヤーの赤く染まった叫び声が暗闇に響き渡ることになってしまう。一体暗闇の中で何が行われたのか…それを知る術はない…
そんなことにならないためにも、プレイヤーは2つのテクニックを使って危険を回避する必要があるのだ。
1つは忍び歩き。移動先をホールドではなく連続タップすることで音を立てずに移動することができる。もちろんこれだと音が反響しないため周りの状況はわからないが、やつの近くを通り抜ける時などには重要なテクニックだ。
2つ目は途中から教わる能力で、スワイプした方向に音を飛ばすことができるというもの。
飛ばされた音は壁にぶつかるか一定距離進むと拡散し、通常の足音と同じく辺りを探ったりやつらをおびき寄せたりすることができるのだ。
特に後半からはこれらのテクニックが必要不可欠なので、状況を見極めてしっかり使っていけるようにしよう。
ステージを進むと、その他にも色々なギミックが登場する。
青く描かれた水場は、プレイヤーの動きを遅くし行動を制限する効果がある。
この中にいる状態では赤い何かにも追いつかれてしまうため、慎重に進む必要があるぞ。
黄色い床はスイッチになっており、上に乗ることで新しい通路が開けたりする。
他にも一見壁に見えるが音は通過する隠し通路があったり、音を飛ばして壊さないといけない壁があったりと徐々に複雑になっていくのだ。
さらにはこんな巨大な"敵"が現れることも…
そんな危険と障害がいっぱい詰まった空間であるがゆえに、無事に脱出できた時の達成感はなかなかのもの。
出口に着いた時のカチャリ、ギィイという扉を開ける音も気持ちいいし、そこから溢れる光に包まれた時はかなりの安堵感だ。
1ステージ2〜3分という短い時間ながら、不安→恐怖→安堵というホラーの流れをしっかり体感することができる。
という感じでパズルアクションとしてはなかなか良くできているものの、ちょっとした不満点も。
まず気になったのはちょっとボリュームが少ないかなー、という点。
このゲームの総ステージ数は40となっており、さらにそのうち何個かはチュートリアル的なものが含まれているので結構あっけなく終わってしまう。
新要素がポツポツと出てきたと思ったらその流れでクリア!って感じなので、もうちょっと遊んでいたかったと思ったな。
一応クリアすると裏面的なもので遊べるようになるのだが、表とコースは同じで敵が配置されたり強くなったりしたものなので少し物足りないかなぁと感じてしまった。
あとこれは俺がゲーム下手だからというのもあるのだが、一部に理不尽、よくわからないステージがあったのが気になった。
特に終盤のイライラ棒的なステージや、ほぼヒントなしでだだっ広い空間を歩かされるステージなんかはやっていて辛かったぜ。
とはいえ、240円でこの内容なら十二分に満足だし、何より注目すべきはこのエコーロケーションを使ったというシステム!真っ暗な空間を音で浮き彫りにする感覚は他では味わうことはできないので、それだけでもやってみる価値はあるはずだ。
手放しで誰にでもおススメできるゲームではないものの、パズルアクションが好きな方や雰囲気に惹かれた方はきっと楽しめる作品になっているので、もし気になった方はチェックしてみてほしい。