【iPhone/androidアプリレビュー】Hero Emblems(ヒーローエンブレム) - 王道に忠実に、丁寧に作られた3マッチパズルRPG!雰囲気はゆるいがやり応えは十分!
「Hero Emblems(ヒーローエンブレム)」は、iPhone/androidで配信されている3マッチパズルRPG。iPhone版の価格は360円。
なんとなーくパズルがやりたくていろいろ探していた時に見つけて、そのゆるいビジュアルに惹かれて購入。可愛い見た目とは裏腹になかなか本格的なRPGだったぜ。
主人公となるのは姫の護衛隊である勇者一行。
ノリが軽く少し口が悪い剣士のハワード、しっかりものでいつも冷静な騎士アルストン、幽霊が苦手でお金が大好きな天然僧侶トリスタ、メンバー1まともでツッコミ役の魔法使いエリサという4人の賑やかなパーティで物語は進んでいくぞ。
ゲームを始めると最初に護衛団になるための試験と称してバトルのチュートリアルを行う。
基本は3マッチパズルで戦闘をするわけだが、消し方によって取る行動が違ってくるのだ。
盤面には4種類の紋章があり、それぞれの紋章がパーティの各キャラに対応している。
例えば剣の紋章を3つ並べて消すとハワードが通常攻撃、盾の紋章を3つ並べて消すとアルストンが防御力の回復といった感じで行動するぞ。
また、4つ並べて消すとその行動を2回行い、さらにスキルピースを生成することができる。
その後スキルピースを巻き込んでパズルを消すことで、各キャラが持つスキルを発動することができるのだ。
4つがあれば当然5つもある。T字型かL字型に5つ並べて消すことができれば、3回の行動とともに強化スキルピースの生成ができる。
強化スキルピースは消すことでいつもよりスキルの性能をアップさせる効果があるぞ。
そして紋章を1列に5つ並べて消すと、3回の行動とともにスペシャルスキルピースを作り出すことができる!
このピースだけは少し特殊で3つ以上揃える必要はなく、隣接している紋章と2つで消して効果を発動させるのだ。
スペシャルスキルは強力なものが多く、使えば一気にピンチから脱出できるような能力を持っていることも。
しかしなかなか思うようには作れないため、ここぞという時にとっておくのがいいだろう。
基本となるシステムはこんな感じ。文字で説明するとややこしいかもしれないが、元はお馴染みの3マッチパズルなのですぐに理解できた。
そうこうしてチュートリアルを終えると平和に季節は過ぎあっという間に一年後!
今まで平和だった王国に魔の手が忍び寄り、国王は謎の力で眠りから目覚めなくなってしまう。そこで出番となるのが姫の護衛隊4人!…といった感じで冒険がスタートするのだ。
ここからはワールドマップや装備も出てきてぐっとRPGっぽくなるぞ。ワールドマップって見るとわくわくするよね。
基本的にはイベントの起こっている場所にいって情報を進め、ダンジョンに敵を倒しにいったりアイテムを集めにいったりという感じでストーリーは進む。
移動中に下画面で走る護衛団が可愛い。
メニューを開くとそこからレベルなどステータスの確認、装備やスキルのセット、持っていくアイテムの編成ができるぞ。
装備は潔く紋章のひとつのみ。
特殊効果などは特になくステータスが上がるだけなので常に新しいものを装備しよう。
スキルは通常のものとスペシャルスキルを一つずつセットすることができる。属性が付いているものもあるため、スムーズな攻略にはスキル選びが欠かせないのだ。
戦闘に4つまで持ち込めるアイテムも超重要。
HPやDP(防御力)を回復できる薬はもちろん、状態異常を治療できるクロスは後半になると必須級のアイテムになる。
これらの装備やスキル、アイテムは町にあるショップで購入できる他、ダンジョンでたまに出てくる宝箱からも入手ができるので見つけたら頑張って鍵を開けよう。
↑宝箱は紋章を消して鍵を一番下に落とすことで開けることができる。運も関係するので結構難しいぜ…
登場する敵も曲者揃い。
最初こそ普通にパズルさせてもらえるが、敵が強くなるにつれてこちらを妨害するスキルを持った敵がでてくるように。
紋章をロックして動かせなくするものや、紋章を炎上させて消すまで毎ターンダメージなどバラエティー豊かな状態異常でプレイヤーを苦しめてくるぞ。
これらは紋章を消したりマッチさせたりして解除することができる他、アイテムやトリスタのスキルでも回復ができるので事前の準備が肝心だ。
さらには特定の属性が効かない敵や、逆に特定の属性じゃなきゃ効かない敵など一筋縄ではいかないやつらがどんどん出てくるので気を引き締めて挑もう。
ストーリーはゆるい雰囲気ながら王道。状況は割とシリアスなのに登場キャラ(ボス含む)たちの会話がコミカルなのでなんとも気が抜けるが、それがまたいい。いかにも翻訳しましたみたいな文章も味があって雰囲気づくりに貢献してるぜ。
BGMも良曲揃いで気持ちを高めてくれる。特に通常戦闘曲がかっこよくてお気に入りだ。
そんな本作だが、気になる点がひとつ。
それがストーリー後半におけるゲームバランスの悪さである。
このゲームは装備やスキルの違いはあれど、プレイヤーが行うパズル部分は最初から最後まで同じであり特に新しい要素が加わったりしない。しかし、敵はそんなのお構いなしにバンバン新しくて強力な妨害スキルを使ってくるのだ。
そのため徐々に序盤の快適さは失われ、後半では常になんらかの状態異常と付き合っていくようになる。
特に状態異常は盤面ロック系が多いため、せっかく仕込んでいた4つ消しや5つ消しが固められることも多々。しかも2回マッチさせないと解除できなかったりするので本当に煩わしい。
スキルピースも普通に固まるので治療もままならないしね…
さらにめんどくさいことに、後半になるとスキルしか効かない敵、特定の属性のスキルしか効かない敵というとんでもないやつらが出てくる。
しかし上述したようにプレイヤーの盤面は阿鼻叫喚のため、スキルピースを作るのもままならないし作ったところでロックされるとこれまためんどくさい。
なんというかほんとに、めちゃくちゃ難しいってわけじゃないんだけどただただ面倒である。
せっかく序盤はいいバランスだったのだから、難易度を上げるにしてももうちょっとやり方があったんじゃないかなー、と感じたのでそこはちょっと残念。
とはいえ、お手軽な3マッチパズルを題材にしながらも戦略性のある戦闘システムはなかなか面白いし、バランスの悪さも死に覚えでしっかり対策して臨めばいくらかましになるだろう。
どうしてもテンポが悪くなってしまうのは気になるがこれはもうそういうもんだと思うしかないな。
と、少し気になるところはあるものの、ゆるい雰囲気ながらストーリー、冒険、戦闘としっかり王道RPGの雰囲気を味わうことのできるいい作品だったぜ。
では最後に、俺が好きなハワードの迷言「あ〜すーっ!!!」を貼って記事を締めたいと思う。気になった人はぜひチェックしてくれよな!