【iPhone/androidアプリレビュー】Tallowmere(タロミア) - 超ハードでストイックなローグライク2Dアクション!ゲームは面白いがスマホでの操作は難あり!
「Tallowmere(タロミア)」は、iPhone/android/Steam/Switchで配信されている横スクロールの2Dアクションゲーム。iPhone版の価格は240円。
プレイヤーは勇者となってお姫さまが趣味で作った(!)ダンジョンに潜り、レベルを上げ武器を集めながらひたすらに奥を目指すのが目的。
小難しいストーリーは一切なく、どれだけ深く潜れるかを競うスコアアタック的ゲームだ。
ダンジョンは自動生成なので挑戦するたびに変わるし、装備やレベルも死ぬたびに全リセットなので毎回0から挑むことになるぞ。
さて、ゲームを始めるとそこはもうダンジョンの入り口。
黒い服を着て斧を高々と掲げているのがプレイヤーである。勇者かこれ…?
ここが一応拠点になっていて、各キャラクターに話しかけることで色々な機能を利用することが可能だ。
ロシアンハットのようなものを被ってがちがちに着込んだ男性に話しかけるとショップを利用できる。
HPを回復するポーションやスタンを防ぐ薬、防具や武器などを売っているぞ。たまに掘り出し物があるのでちょくちょくチェックしよう。
いかにもな死神のところでは縛り要素の追加ができる。
「敵の攻撃力が2倍」「全ての武器がレア度1」など結構な難易度。ただでさえ難しいこのゲームだが、普通のプレイに飽きてしまった精鋭勇者の皆さんは挑戦してみるといいだろう。
およそこのダンジョンに似つかわしくないジェントルマン風のおじさまはチャレンジダンジョンへの橋渡しをしてくれる。
チャレンジダンジョンはメインのダンジョンとは違い、決められた条件の中で20階を目指すミッションのようなものになっている。
「毒ガスだらけのダンジョンで20階を目指せ」「HP100で回復せずに20階を目指せ」など、全部制覇しようと思えばかなりの難易度だ。
ここでは、敵を倒すと手に入るスピリットを集めて捧げることでステータスを上昇させることができる。つまりレベルアップだな。
体力と攻撃力、そしてその他特殊な能力が上がるがどの程度上がるかはランダムだ。
ちなみにおじいさんはただの説明係なので奥にいるデーモン像に捧げよう。
一番上には可愛い子猫がお出迎え。プレイヤーの心を癒して体力アップ!…ではなく子猫を犠牲にして体力を上げることができる。
犠牲にした子猫の数はランキングにも反映されるので、見るたびに自分の犯した罪を思い出すことができるぞ。
ところでこのおねーさんはどんな格好をしてるんだ?
最後はもちろん癒しの女神様。どんな時でも無償の愛でプレイヤーを全回復してくれる!
まぁ、そもそも死にかけてる理由があなたの作ったダンジョンですけどね…
さ、では愉快な仲間たちの紹介も終わったところでいよいよ冒険に出かけよう!
プレイヤーが最初に持っているのは斧1本と盾1つ、そして1個のポーションのみ。装備も申し訳程度の布ペラを着ているだけ。
毎回ダンジョンに潜るたびにこの装備で新たな冒険が始まるのだ!これはわくわくが止まらないぜ。
ダンジョンはルームと名付けられた空間に分かれており、そのルームにいる敵を倒して鍵をゲットすることで次のルームへの扉が開く仕様となっている。
最初は狭く敵も少ないが、進んでいくにつれてどんどん広くなり敵の数も増加していくぞ。
登場する敵もかなりの曲者揃いだ。
プレイヤーを見つけると長い舌を伸ばして引き寄せてくる巨大な虫や、回避不能なスタン攻撃を撃ってくるマッドサイエンティスト、画面端からでもノータイムで届く雷撃の使い手など、どいつも一筋縄ではいかないやつばかり。
プレイヤーは豊富に用意された武器と盾を駆使して、こんなやつらがうようよいるダンジョンを攻略していかなければならないのだ。
さらにルームでは時々イベントと呼ばれるものが起こることがある。
イベントの内容は、敵の数が通常の2倍になるダブルトラブルや、敵に連れ去られた姫を助ける誘拐事件、飲むと能力を上げることのできるドリンクが配置される不思議なドリンクなど多種多様。基本的には解決すれば良い効果を得られるものが多いので積極的に挑戦しよう。
中にはこんな大物と戦うイベントも…これじゃあ体力がいくつあっても足りないぜ!
しかし体力が減ってしまっても大丈夫。
各ルームには必ず1つウェイポイントと呼ばれるゲートがあり(ルーム1除く)、そこからいつでも上記の拠点へと戻ることができるのだ!
もちろん姫さまの回復も受け放題だし、ショップの利用やデーモン像でのレベルアップもここで行うことができるぞ。
こまめに利用して戦力と息を整え、いつでも万全な状態でダンジョンに挑めるようにしよう。
そして忘れてはいけないのがプレイヤーの相棒となる個性豊かな装備アイテムの数々である。
防具は頭、身体、盾の3種類。武器は8種類あり、どれもメリットやデメリットがあるのでそれらをうまく利用して冒険を進めていきたい。
例えばエメラルドダガー系の武器は、装備して2秒ほど待つことでステルス状態になることができる。この状態では敵に見つからない他、トラップの起動も防ぐことができるので移動手段には最適だ。
しかしリーチは短く、攻撃すると勝手に前へ進んでしまうので攻撃手段としては用途が限られてくる。
ロケットランチャーは壁にぶつかるまで届く遠距離武器。弾数制限や発射後の硬直もなく、画面内の敵をある程度オートエイムしてくれる優れモノ。
しかし一発撃つたびにとんでもなくノックバックするし、至近距離で撃てばもちろん自爆するため使い所には要注意だ。
他にも手榴弾や火炎放射器、刀などユニークな能力を持った武器が登場するぞ。
装備はショップで買ったりダンジョン内の宝箱から入手できる他、たまに閉じ込められている商人を助けることで安く売ってくれたりする。
同じ武器種でもレアリティやオプション効果によって大きく能力が変わるのでいろいろな装備を見てみよう。
同じ斧でもここまでオプション効果がつけば使い勝手は大違いだ。
そして肝心のアクション部分だが、これがかなり楽しい。
武器を振った時や撃った時の音が小気味よくて癖になるし、敵を倒した時結構派手にバラバラになるのも爽快感があって気持ちいい。ドットとはいえ生首とか転がるので苦手な人は演出をオフにできるのも気遣いがあっていいね。
難易度はかなり高めで、俺はルーム7とか8でもバンバン死んだ。
その度に装備も全ロストだからちょっとくじけそうになるんだけど、再スタートのテンポもいいし次はもっといい装備見つけて上手くやってやる!って思うからついつい時間を忘れてやり続けてしまったぜ。
しばらくやってると武器ごとの得手不得手や敵の対処法なんかもわかってぐっとやりやすくなるのもいいバランス。
イベントなんかは最初「これ無理じゃん!」って思うのもあったが、どうにか手持ちの武器やアイテムでクリアできた時の嬉しさは言葉にできないものがあるな。
そんな感じでかなり満足度の高いゲームなんだが、スマホ版では決定的に悪いポイントがある。
それがタイトルにもある操作性の悪さだ。
改めてプレイ画面のスクショを見てもらえるとわかると思うが、このゲームではプレイヤーの体力は左下に表示されている。
つまり、プレイ中は左手の親指で完全に隠れてしまうのだ!
頑張って避けて持ったとしても、そもそも表示が小さいせいでめちゃくちゃ見にくい。せめて体力をゲージやアイコンで表示してくれればわかりやすいものの、◯/◯表記なのでさらにわかりづらい。
体力管理が大事なゲームだけに、ちょっとストレスになることが多かったかな…ぜひ右上か中央上への配置を所望します!
あと右手の操作ボタンの形ももうちょっとどうにかならなかったものか。
T時に配置する必要はあんまり感じないからよくある仮想パッドの方がやりやすいかも。
もともとがSteamのゲームだからその辺はある程度しょうがないのかもしれないが、せっかく面白いゲームの移植なのでここは本当に勿体なく感じた。MFiコントローラーには対応しているので持っている人は快適にできると思うぞ。俺もそろそろ買ってみようかなと思ってたりする。
とまぁ、操作性に難はあるもののゲーム自体はやはりとても素晴らしい。
丁寧に描かれた味のあるドット絵に歯ごたえのあるアクション、常に全ロストの恐怖に怯えながら進むダンジョン攻略のスリルはなかなかのものだ。
日本語のローカライズも全く問題なく、この世界にしっかりと浸ることができる。
ローグライクや2Dアクションが好きで、自分のテクニックと集中力の限界に挑戦したいストイックな方は、是非とも女神様の変わった趣味に付き合ってあげてみてはいかがだろうか。